心が落ち着いたら読もうと思って読まずに取っておいたばななさんの新刊
「スウィート・ヒアアフター」を素晴らしいタイミングで読んだ。
不思議だけど、ばななさんの本はいつも、私にとって必要な時に、必要な内容の
ものが目の前に現れる。
この小説は、震災のことが直接出て来るわけではないが、震災を経験した人に
向けて書かれた小説だ。
誰もがいつどうなるかわからない時代になってしまった今、ばななさんが
この小説を書いてくれた。これからこの不安な時代を生きぬ抜いて行くのに、
お守りになるような本だと思う。
震災によって私を含め多くの人が気がついたように本当は死はいつもそこにある。
いつもと同じ日常は奇跡。
それでも、日常の中ではたくさんの悩みが出て来るし、これからの問題は山積み。
だけど、日常の中のささやかないいことをたくさん集めて、身近な人達とのよい
時間を大切にし、今を悔いなくコツコツと生きてくこと。それしかない。
悔いの全く残らない人生なんて難しいと思うけど、それでも、悔いの少ない
毎日にチャレンジして行きたい。
ばななさん、この小説を書いてくださって、ありがとうございました。