日常じゃあにぃ

荒井良二さんを撮影する為に、展示を観る為に、マンチ食堂のふたりが企画した
観音祭りに行く為に、弘前の旅へ。

１０月１２日
朝、弘前着。諒子ちゃんと栞ちゃんが駅まで迎えに来てくれて、公園で秋の
パン祭り。おいしいパンやりんごジャム、あったかいお茶や紅葉柄の紙ナプキン
まで用意されていて、空気がものすごく澄んだちょっとだけ紅葉の始まった
公園でみんなで朝ごはんを食べる。諒子ちゃんからはイチョウのスタンプを、
栞ちゃんからは秋らしいポストカードとりんごの形のボタンをプレゼントされ、
いきなり大きな秋に包まれた感じになる。空気がとても澄んでるので、写真も
すごく透明感がある感じに写る。
その後、まずharappaに行き、挨拶。それから花屋さんに寄り、
マンチ食堂移転祝いの植物を買い、百石町展示館に寄り、白取さんに挨拶。
それから煉瓦倉庫に行き、わんこに会って、新しいマンチ食堂へ。
一軒家を改装した作りで、お店というよりも、ふたりの家に遊びに来た感じ。
ゆったりとしてて、窓からは吉井さんのとこの桜の園が見えて、鳥のさえずりとか
聴こえて。鶏肉のバジル炒めごはんを頼む。孝司君の作るごはんは
前よりも更に優しくおいしくなっていた。ふたりは、自分たちの作りたい店に
ぐんと近づいたんだな。いつかここの窓から満開の桜を眺めたい。
harappaに戻ると、荒井さん達がもう到着していて、作品を出しているところ
だった。大きい作品もたくさんあるみたい。楽しみ！
荒井さん達とともに再びマンチへ。そしてharappaに戻り、展示作業開始。
荒井さんが展示位置をサクサク決めて、ありちゃんがどんどん展示して行く。
スムーズに展示作業は終了。とてもよい感じ。東京のギャラリーでは
なかなか荒井さんの大きい絵を観られないし、ゆったりとした空間で観ることも
できないので、harappaならではの展示になったと思う。新作のあちらこちらに
りんごが描かれている！
久しぶりに成田ママにも会えて嬉しかった。
その後、マンチのふたりが車を出してくれて、みんなで温泉へ。白馬龍神温泉
というとても効きそうな名前の温泉。露天風呂もあり、満喫。入りすぎて、
お風呂から出た後、気分が悪くなる・・・。
それから夕飯を食べに行く。そしてアサイラムへ。荒井さんはかなりの音楽好き
だし、きっとJKと話が合うに違いない！と思っていたら、そのとうり。ふたりは
同世代だし、他の誰も入り込めない感じで音楽の話で盛り上がっていた。
その後、ふぁーすとへ行き、ラーメンを食べる。荒井さんもこの店を
気に入ったようで嬉しかった。
店を出てホテルへ戻る。星と月がきれい。あんなに眩しいほど
光っている月を見たのは初めてかもしれない。好きな街で、好きな人たちと、
夜空を見上げながら歩いて帰るのはとても幸せな時間だった。

10月１３日
朝、ホテルの窓からものすごくくっきりと青空と岩木山が見える。
harappaに行き、展示風景を撮影。どの作品を買うかも考える。
三上君と待ち合わせして、袋宮寺の観音祭りへ行く。
お寺の後ろの原っぱでは手作り市や、ジャンベのワークショップ、りんごの
販売、焼き芋、青空美容室などなど。木々の間からはキラキラした光が
降り注いでて、気持ちのよい風が吹いてて、子供からおばあちゃんまで
いろんな人々が集ってて。あまりにもよい気で満ちあふれてて、目を
開けてるのが眩しいくらいだった。お昼はマンチの屋台で、タイカレーを
木陰に座って食べる。
その後、harappaに戻り、荒井さん達と中央市場を散歩。今日、オープンした
ばかりというお店でおそばを食べる。「今日が開店日だから、お金はいらないよ」
と言われびっくり。でも、お礼に荒井さんがどこかに絵を描くことになる。
適当な紙がないから、なぜかお店に飾ってあったふく子さんの賞状の額の裏に
・・・。ライブペインティングまで時間がないので後で描いて
持って行くことになる。
そして、いよいよharappaでライブペインティングが始まる。緑のシートが床に
敷かれ、その上にみんな座り、原っぱのよう。子供達は目をキラキラさせて
荒井さんが絵を描くのを見ていた。「何を描いてほしい？」という荒井さんの
質問に、男の子が「りんご！」と答え、最初はりんごが描かれる。それが
四角いりんごやイカやかぼちゃや猫や様々なものに姿を変えて行く。時々、
ふく子さんの額縁まで絵を描く道具として登場したり。荒井さんの絵は
自由過ぎて、絵本の中だけでは収まらないから、みんなにライブペインティングを
観てもらえてよかったな。デジカメで定点撮影をしつつ、フィルムで
キャンバスのすぐ横からも撮影した。絵を描く荒井さんの表情は、すごく
楽しそうだったり、時々苦しそうだったりする。汗も飛び散る。絵を描くことを
楽しみつつも、絵と闘っているのだろう。
ライブペインティングが終わり、お母さんに荒井さんの絵本を買ってもらった
女の子が、その絵本をすぐにギャラリーの床に座って読み始めた姿をみて、
あの女の子はさっそく旅に出かけたんだなと思った。
急いで、袋宮寺に戻り、小山内薫さんの津軽三味線ライブへ。観音様のいる
お堂の中で、たくさんのキャンドルの光だけでのこのライブは本当に
素晴らしかった。でもなぜか急に眠気が・・・。最後の１曲の時に、急に
眠気が吹き飛び、頭の中がはっきりとする。津軽三味線はJazzでもあるけど
Rockでもあるんだな。小山内さんのあまりにも早い手の動きは、目で追えない
程だった。もっと聴きたかったなぁ。
ライブの後にのんちゃんというかわいい女の子に「いつもブログ読んでます！」
と言われ、すごく嬉しかった。澄んだ目をしてる女の子だった。
ライブが終わり、お堂の扉を絹世ちゃんが開けて「ありがとうございました」と
言い、外に出たら参道にはキャンドルが点々と灯されていて、この時絹代ちゃんと
孝司君の姿を見たら急に涙が出て来た。いつかはこんなイベントをやりたいと
いう話をずっと前に聞いていて、外の街から弘前にやってきてこのふたりは、
この街で人脈を少しづつ広げ、自分たちの夢をかなえたんだなと思ったら、なぜか
号泣・・・。ほんとうによいお祭りだったと思う。
みずほちゃん達と、ひまわりに行きごはんを食べる。この人達といるとほっと
する。よい時間だった。お店の外に出たら、ひまわりのおばさんが、「これ
１枚づつあげる。」っておいしそうなサブレをくれた。こういうのが弘前
なんだよなぁと思う。諒子ちゃんとはハグしてここでお別れ。手作りのリースを
プレゼントしてくれた。またどこかで！
私は、けん太へ。荒井さんの打ち上げに合流する。久しぶりに会ったちぽちゃんが
元気そうでよかった。長谷川夫妻も幸せそうだし！
最後はやっぱりアサイラムへ。昨日は、フォークの話題で盛り上がってた
荒井さんとJKは、今日はロックな話で盛り上がっていた。この時に荒井さんに
描いてもらったサインにはMasako Bluesと書かれていて、雲おじさんのような
人（？）がギターを弾いてる絵を描いてくれた。
今日も明るい月を見上げつつ帰る。

１０月１４日
朝、harappa集合。まゆみぃさんが私が数年前にプレゼントした荒井さんの
絵本にサインをしてもらってて嬉しかった。いろんなことは繋がっていくのだ。
JKとまゆみぃさんが車を出してくれて、今日はみんなで岩木山の方へドライブ。
出発前に銀水食堂でお昼を食べる。ちょうど、テレビのお昼のニュースで
昨日収録してた荒井さんのインタビューが流れ、みんなで拍手！
今日も気持ちのよい天気で、どんどん岩木山が近づいてくるあの感じに
わくわくする。道の両脇には、たくさんのりんごの木。岩木山神社に着き、
山盛りアイスクリンを食べながら参道を上りお参りする。それから嶽温泉に行き
お土産を買ったり、嶽きみを食べたり、足湯に入ったりする。荒井さんは
いつも本当に本当に忙しそうだから、少しでも山の空気や温泉やおいしいもので
力をつけてほしいと思っていて、今回の旅の中では荒井さんの笑顔をたくさん
見られてよかった。あっという間に夕方になり、荒井さん達を駅まで見送りに
行く。最後に荒井さんとまゆみぃさんが握手をして、荒井さんが「色々、
ありがとう。またくるけどね。」って言ってくれてすごく嬉しかった。
土手町に戻り、ブランメルやstablesをのぞき、harappaに帰ってきたら、
偶然、吉井さんとお会い出来た。今回の旅では会えないかなと思ってたから
よかった。急遽、吉井さんがごはんに誘ってくださり、ふたりでアルポルトへ。
吉井さんとふたりでごはんを食べるなんて、少し緊張したけどシードルで乾杯し、
チーズやパスタやステーキを食べていろんな話をし、素敵な時間を過ごさせて
いただいた。相変わらず吉井さんは凛としてかっこよかった。
吉井さんとは別れて、数々の逸話が残るピンクベアへパフェを食べに行く。
ここのパフェは本当においしい。でも、おじさんに怒られないように、黙って
食べた・・・。
今日も月がきれい。明日は満月だ。

１０月１５日
朝、harappaの前でナカタンを待ってたらブランメルの西やんが通りかかる。
この街は、約束しなくても、たいていの会いたい人には会えるようになっている。
ナカタンが迎えに来てくれて、弘前公園へ。木や影や葉を撮影する。
ナカタンが野点のセットを持って来てお茶を煎ててくれた。公園の中でお茶会。
どこからか津軽三味線の音が聴こえてきたりして本当に素敵なお茶会だった。
紅葉し始めた落ち葉を拾ったりもした。
それからみかみ工芸によってあけびのかごをを見てから、百石町展示館に行き、
畠山さんと比内地鶏の親子丼を食べに行く。おいしかったー。
マタニに寄っておみやげを買い、アサイラムへ。ここは夕方前に、ものすごく
きれいな光が入るので、JKにお願いして撮影させてもらう。窓から金色の光が
降り注いできて、この小さな空間に、金色の光がどんどん溢れていく。光と影の
感じはどんどん変わっていくので、いつまででも撮影していたいと思った。
その後、マンチへ。ここもやはりきれいな光が見られるので、窓際などを
少し撮影。昨日の観音祭りは大成功だったようでよかった。春のお祭りにも
また来られたらいいな。
今夜も吉井さんがごはんをごちそうしてくださるとのことで、まゆみぃさんと
一緒になかさんへ。うなぎをごちそうになる。今日も吉井さんのかっこよさが
炸裂していた。お店を出て、吉井さんが空を見上げ「きょうは月がきれいね」と
おっしゃりみんなで月をみた。この時のことはずっと忘れないだろうと思う。
今夜は満月。
その後zilchへ行き、お茶を飲む。片山君や栞ちゃんも合流。そして
harappaに戻り、荒井さんの展示を見納め。私は今日で観られるのが最後だから
何度も繰り返し観た。いい展示だなぁ。
やっぱり今日も最後はアサイラムで。JKには今回、本当にお世話になった。
いつもありがとう！
まゆみぃさんがターミナルまで送ってくれた。栞ちゃんも自転車で見送りに
きてくれた。鳴海さんも見送りに来てくれて、最後に会えて嬉しかった。
栞ちゃんが別れ際、手作りのクッションや手紙やスコーンを次々とバックの
中からだしてくれておかしかった。栞ちゃんとは、仲良くなるタイミングが
他の人達に比べたら遅かったけど、これから深くなっていきそうで楽しみ。
今まで、弘前で出会った人達や、弘前という場所から本当に多くのものを
もらってきた。それは目に見えないものや、お金では買えないものがたくさん。
だから、今回の旅ではそれを少し返したいなと思っていた。でも、結局、
また抱えきれないほどの色々なものをもらってしまった。これから、少しづつでも
いいから、何かを弘前で出会った人々や弘前という場所に返していきたい。
きれいな月を観る度に、今回の旅を思い出すかもしれない。